GUEST

大西 真菜美(おおにし まなみ)

©Chenise Johnson-photographer

NBAダンサー/チアリーダー

高校からチアリーディングを始め、高校・大学とキャプテンを務める。

2017年にはチアリーディング日本代表に選出され、キャプテンとして世界大会優勝。

大学卒業後は、デュアルキャリアとして仕事とチアの活動に専念。

2021年からアトランタ・ホークスのダンサーとして活動している。

【経歴】

2011年~2013年:箕面自由学園高等学校 キャプテン

2014年~2017年:立命館大学応援団チアリーダー部 キャプテン

※2017年立命館大学応援団 副団長を務める

2017年:チアリーディング日本代表に選出 世界大会出場 キャプテンを務める

2019年:ガンバ大阪チアダンスチーム 所属

2020~2021年:滋賀レイクスターズ レイクスチアリーダーズ 所属

2021年:Atlanta Hawks ATL Dancer所属


目次

■一度は離れたチアに再チャレンジした理由とは?

■憧れのアメリカへチャレンジ

■チャレンジをしたものが得られるものとは

■「憧れの存在」になるために


現在、アメリカのアトランタで Atlanta Hawks ATL Dancerとして活躍する大西真菜美さん。一度は競技から離れたものの、再びチアの世界でチャレンジすることを決意しました。

チャレンジを続ける裏にある大西さんの決意や思いをお聞きしました。


一度は離れたチアに再チャレンジした理由とは?

―現在、NBAダンサーとしてチャレンジを続ける大西さんですが、高校・大学・社会人ではチアリーダーとして活躍されました。チアとの出会いを教えてください。

小さい頃からクラシックバレエに取り組んでいました。小学5年生からはバレエと並行してジャズダンスを始め、踊ることが大好きでした。

高校ではダンスの経験を活かした新しいチャレンジがしたいと思い、チアリーディングを始めました。高校は女子のみのオールフィメールチームで活動していましたが、大学では男女混成のミックスチームというまた新しいチャレンジができました。

チームに男性が加わることで、人を持ち上げる時の高さが変わり、より迫力のある演技をすることができました。また、技の幅も広がり、さらに新たな経験をすることができました。

―大学卒業後はチアから一度離れた時期があったとお聞きしました。

「やりきった!」という思いで、一度チアから離れました。

大学時代に日本代表キャプテンとして出場した世界大会で全力を出し切り、優勝をすることができたので、やり残したことはないと満足していました。

社会人になり毎日仕事に取り組む中で、チアのない生活に物足りなさを感じ始めました。まるで自分を失ったような感覚でした。

当時、勤めていた旅行会社ではスポーツ好きの社員が多く、スポーツへの理解がある会社でした。また、フレックス制で他の活動にあわせて、出勤時間の調整ができたことや、「挑戦者であれ」という会社の企業理念もあったので、改めてチアを始めようと考え、2019年1月にJリーグのガンバ大阪でチアの活動を再開しました。

憧れのアメリカへチャレンジ

―その後、アメリカへチャレンジしようと決意をします。大西さんに決意をさせたきっかけはあったのでしょうか?

大学まで取り組んでいたチアリーディングは、スタンツと呼ばれるアクロバット要素のある技とチアダンス、体操のようなタンブリングを大会で競うものでした。

一方、社会人から始めたチアは大会に出場するものではなく、スポーツの専属チアリーダーでした。私の所属していたチームは主にダンスを中心としており、スポーツを見に来ているお客様やチームを鼓舞する存在としてパフォーマンスをします。

今まで私が経験したチアとは全く別のような感覚でした。

チアの勉強を目的に、チアの本場であるアメリカのチアリーダーについてSNSで調べていたところ、徐々にアメリカのチアに興味が湧き、いつしかチャレンジしてみたいと考えるようになりました。

ただ、実力、経験、金銭的な問題といった課題があり、チャレンジをすることに悩んでいました。

チアの活動を再開し半年が過ぎた時に、NFLのチアで活躍する方とお話する機会がありました。そこで「どうにかなる!人生は一度きり」という言葉をいただきました。

その言葉をきっかけにアメリカへ行く決意をしました。今までの迷いが消え、背中を押されたような感じでした。

思い立ったらすぐに行動してしまう性格なので、その夜には母にアメリカ挑戦計画をプレゼンテーションし、翌日には会社へ退職する旨を伝え、2019年10月末に退職をしました。

2020年に一度目の渡米し、数多くのオーディションを受けてきました。

そして、今年ご縁のあるチームに出会い、晴れてNBAチームのダンサーとして活動させていただくことができました。

―チャレンジを重ねる中で、心が折れそうな時はありましたか?

ありました。今年1回目のオーディションに挑戦した時です。

事前準備も入念に行い「今回はいける!」と自信を持っていました。不合格の結果をいただいたときは、何がだめだったのかがわからないくらいでした。

チームのディレクターからフィードバックをいただき、求められていたダンススタイルや魅せ方とは少し違かったことに気づきました。

その後移動したアトランタのダンススタジオに通い詰めている時に、現在所属するNBAチームのダンサーと巡り合うことができました。

一緒の時間を過ごす中で「この人たちと一緒に踊りたい」と思いましたし、NBAという新しい世界でチャレンジしたいと思えたきっかけになりました。

運命だと思っています。

©Scott Cunningham

―アメリカのチアを見て研究をしているうちに海外のチアに興味を持ったというお話がありましたが、日本とアメリカのチアにどのような違いを感じたのでしょうか?

私が思うに、大きなスキルの差異はないと思います。

日本の良さは同調性があり、統一されたきれいなパフォーマンスだと思います。

アメリカにいるチアリーダーの凄い部分は「自己表現力」です。これは日本とアメリカの教育文化の違いも関わってきているのではないかと感じました。

また、アリーナの総動員数やパフォーマンスの機会を考えると、経験できる規模が大きいと思いました。

日本の良さ、アメリカの良さを経験できることは幸せなことだと思います。

チャレンジをしたものが得られるものとは

―アメリカへのチャレンジで課題に感じたことは何でしょうか?

海外へ挑戦するにあたって、特に大きな課題は金銭的なことです。

アメリカへの渡航費で往復30万円ほど掛かりますし、オーディションにいつ受かるかわからないので、宿泊費もかなりの費用がかかります。

また、国内移動時の飛行機代や車社会であるアメリカでのレンタカー・ガソリン代も想像以上に費用が掛かりました。

私はクラウドファンディングで資金を集め、金銭的な課題は多くの方に支えられました。目標の200万円を達成し、渡航費、移動費、ビザなどの手続き、オーディション費用に使用させていただきました。

チアの場合、勝敗がありません。また、パフォーマンスを行う時も企業やチームのユニフォームを着用するので個人スポンサー獲得が難しいです。

私の目標として、個人スポンサーを獲得し、後輩や子どもたちが金銭面での悩みを軽減したうえで、「自分もアメリカのチアリーダーに挑戦したい」と思える環境を整えたいと思っています。

―個人スポンサー獲得のお話がありましたが、チアリーディングの金銭事情について教えていただけますか?

正直なお話をすると、お給料は決して高いとは言えません。勝敗の付かないスポーツですし、他のスポーツが行われる中で私たちがパフォーマンスする機会を得ることができます。

多くのお客様は、そのスポーツや応援するチームのために会場へ足を運んでいます。ですからチアはスポーツをさらに盛り上げるエンターテインメントの一つだと私は思っています。

―こうした環境を改善するためにはどのような取り組みが必要だと思いますか?

チアにはチアスピリッツ、ホスピタリティ、ボランティア精神といった、人間力育成に必要な要素をたくさん持つスポーツだと思います。

社会に出るための人間力育成を十分に過ごしている人が多いと感じていただければ、チアを活かした仕事や人間力を養う仕事など、違う観点から仕事がつくれると思います。

たくさんのスポーツとの関係があることも、チアの金銭事情改善のヒントになることだとも思っています。

―少し話題を変えます。競技を続ける選択を選ぶ際に重要視することは個人の意思(覚悟)なのか、スポーツができる環境(企業がチームを持っている手当など)のどちらなのでしょうか?

挑戦段階では気持ちや決意が大事だと思います。ただ、その後はスポーツに取り組める環境が大切だと感じています。

最初に渡米をした2020年の時は「オーディションに合格!」その気持ちが大半を占めていました。

今考えると、もしあの時ご縁をいただいていたとしても生活はどうしていたのだろう・・・と考えるだけで怖くなります。

気持ちで突進することも大事ですが、冷静に考えると、やりたいことに没頭できる環境づくりは、競技を続けるうえで大切な事であり、また、難しいポイントだと思いました。

©Chenise Johnson-photographer

「憧れの存在」になるために

―今後の目標や叶えたいことはありますか?

大学を卒業してから、新たなことを見つけ、頑張ることはすごく良いことだと思います。ですが、他の理由で好きなスポーツや今までやってきた経験を辞めてしまうことや、チャレンジできないことは本当にもったいないと思います。

私がチャレンジを続けられた理由の一つに「憧れの存在」があります。

だからこそ、私はみんなの憧れにあれる存在になりたいですし、続けることに悩む人の背中を押せる存在になりたいと考えています。

今、私が経験していることを、活かせる活動がしたいです。

―最後に、チャレンジすることに悩む方へメッセージをお願いします。

「まずはやってみましょう!」と伝えたいです。

挑戦すれば必ず学びを得ることができますし、今後に繋がる良い経験となります。

私もまだまだチャレンジャーです。無駄なことは1つもないので、一度きりの人生を楽しみたいと思います。そして、チャレンジし続けることを皆さんにお伝えしていきたいと思います。


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