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長井草樹(しげき)

赤いトラックの前に立っている男性

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※ご本人提供

アイスホッケー選手。江戸川アーマーズJrの低学年監督として、子どもたちへアイスホッケーの指導・普及を行う。また、消防官として勤務し、スポーツと仕事の両立に取り組んでいる。

江戸川アーマーズJr

サイト:http://r.goope.jp/edogawa-armors

Facebook:https://www.facebook.com/edogawaarmors/

Instagram:https://www.instagram.com/edogawa_armors/


目次 (後半)

■アイスホッケー選手と消防官。2つの道を歩く理由

■アイスホッケーから学んだ大切なこと


アイスホッケーの選手・指導者と消防官のデュアルキャリアを実践する長井さん。

日本ではまだマイナースポーツであるアイスホッケーですが、迫力やスピード感は他の競技よりも群を抜く魅力があります。

トップリーグではなく公務員の道を選んだ理由、そしてデュアルキャリアを選んだ理由をお聞きしました。

アイスホッケー選手と消防官。2つの道を歩く理由

―長井さんは消防官でありながら、アイスホッケー選手・コーチとして、スポーツと仕事の両立に取り組んでおります。何か工夫されていることはありますか?

消防吏員の中でも私は現場で活動をしています。平日土日は無く隔日交代制であり、年度初めには1年間の勤務スケジュールが決まります。そのスケジュールに合わせてアイスホッケーの活動をしています。もし、大会日程など重なってしまった場合は同僚に相談、互いの休日を移動・調整しつつ、最優先事項として隊編成を考慮しながらスケジュールしています。

但し、災害などの有事の際はいかなる理由があろうとも非常招集しなければなりません。消防官として、『人命救助を最優先』とする揺るぎない使命があるからです。

-消防官とアイスホッケー選手の両立はもともと目指していたことなのでしょうか?

2000年以降アイスホッケー界が衰退する中、私はプロアイスホッケーチーム『H.C.栃木日光アイスバックス』のトライアウトにより合格をいただきました。

しかし、プロの道に進む一歩が踏み出せませんでした。理由として、チーム経営が安定せず、選手生命に係る十分な賃金の確保ができないと感じたからです。「アイスホッケーが好き」という気持ちだけではトップリーグで続けることができないと判断しました。

そこで、キャリアプランをシフトして、今まで周りの人たちの協力のもと、不自由なくスポーツをさせて頂いたこの経験を活かして、今度は人の役に立ちたいという思いを根幹に消防官の道を選びました。

人, 草, 屋内, 子供 が含まれている画像

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消防活動「いのちの授業」のワンシーン ※ご本人提供

トップリーグに進まなくとも、アイスホッケー競技者として、国民体育大会(以下:国体)や全日本選手権を自身の最高位の大会に位置づけようと考え改めました。

国体となると、県と市の行政が連携し全面的にバックアップをしてくださり、正々堂々とプレーに専念できますし、市役所に横断幕を掲げ応援してくれます。国や県の自治体で応援してくれる雰囲気がとてもありがたく、そこに挑む目的意義が明確です。

私は、トップリーグではなくても自分が置かれた環境で人は輝けると思っています。消防官でも子ども達へ教育することもできます。

大切なことは、自分の与えられた環境を理解して、アイスホッケー発展のために自分が出来ることを惜しまず実行することだと思っています。

アイスホッケーをしている人

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※ご本人提供

競技人口や施設の確保に加えて、日本アイスホッケー連盟の最終目標がオリンピックでメダルの獲得なのか、世界選手権でトップディビジョンを目指すのか、末端で活動する私たちには伝わりません。

アイスホッケーを発展させるためには、アイスホッケー(アイスアリーナ事業)をビジネス化し地域に根付かせ、利益を創出することが大切だと思っています。そして、生み出した活動費でジュニア世代や各指導者の一環した育成を行うことが日本アイスホッケー界の発展につながると思っています。

目的に沿った資金用途をはじめ、ロードマップを作り、時代に適応したアップデートをしていくことが今後の課題策になると思います。

―アイスホッケーの迫力やスピード感は観る人を熱狂させ、また、感動を与えるような将来性があるかと思います。

そうですね!

そのために試合会場で応援しよう!と足を運んでもらえるチームを数多く構築していく必要があると思います。

中でも新しい取り組みを行うトップチームとして『横浜GRITS(グリッツ)』があります。所属選手全員が個々に企業に勤めながらも横浜GRITSでプレーをするデュアルキャリアを実践しています。

この取り組みには、地域密着や社会貢献といったコンセプト背景が魅力です。

私は、電通アイスホッケークラブという東京都社会人Sリーグに属しプレーしていますが、チームメート数名が横浜GRITS(グリッツ)へ移籍しました。そんな横浜GRITS(グリッツ)のように競技発展に寄与するチームと同じベクトルで、各チーム(国体チーム含む)と選手が社会と繋がりを持ち続け、魅力を伝えることで裾野が広がると思っています。

競技レベルは違えども、大分類の目的を一にして、個々は小さな力でも選手一人ひとりが今一度前向きに取り組む事で、大きな変革が生まれると感じています。

アイスホッケーから学んだ大切なこと

―アイスホッケーから得たものや学んだものはありますでしょうか?

アイスホッケーに限らず、スポーツが与える価値観は言葉で表せられないほど無限大だと思います。

社会に出た時にスポーツ経験が活きたと感じたことは、コミュニケーション能力と横のつながりが何より先に思い浮かびます。

コミュニケーションといっても人と話せるだけはなく、コミュニケーションという名の「思いやり」こそが極論だと思います。

団体競技はどれだけ一人の実力が高くても勝つことはむずかしいです。

勝つために、思いやりをもったプレーをすることや、チームのことを思い計らうことで、全く違う結果になるのです。社会も同じです。

アイスホッケーを通じて、相手の気持ちを尊重し、かつ汲み取りながら目的達成することを学んだことは、私にとってとても大きな成長でした。

―江戸川アーマーズJrで子どもたちへ指導されています。長井さんが指導を行う中で大切にしていることはありますか?

低年齢の発育発達期の指導で特に大切にしているのは、身体リテラシーを育むことはもちろんのこと、心の成長、「人を思いやる心」を一番伝えたいと考えています。

スポーツ競技者である前に、子どもたちの人間性を培ってあげることが重要課題だと思っているからです。「アイスホッケー選手」だけを育てるのではなく、より長くスポーツに関わることのできる人間と環境を育てることが私の目標です。

アイスホッケーをしている人たち

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現在、競技者の傍ら、江戸川アーマーズJrの低学年監督をつとめています。

その教育方針として「三つ心、六つ躾、九つ言葉、文十二、理(ことわり)十五で末決まる※」という言葉を大切にしています。

  • 三つ心:3歳までに子供たちの人格は決まるので十分に愛情を注いで、人に思いやりのある子に育てること
  • 六つ躾:6歳までに挨拶の仕方や感謝の気持ちといった一通りの躾を済ませておくこと
  • 九つ言葉:9歳までには、どんな人にも失礼でない言葉遣いができるようにすること
  • 文十二:12歳までに、丁寧な文章を使えるようにすること
  • 理十五で末決まる:15歳までに、物事の理屈を理解できるようにすること

低学年クラスには4,5歳が複数名在籍しています。

その子たちにはアイスホッケーを通じて、ものごとに取り組む楽しさや気付きを与えるように考えています。

そして、子供らしく元気よく挨拶ができ、一生懸命打ち込むことを楽しめるJrチームをこれからも目指します。

もちろんアイスホッケーの技術的な部分はきっちり教えます。それ以上に、人として大切だと思うことにはアクセントを付けて伝えていきたいと思います。

年齢に伴い、順序立てて成長してもらえるような指導を一貫して行い、人としての成長、そして長くスポーツに取り組んで欲しいですね。

―最後に、長井さんが考えるスポーツの価値/可能性について教えてください。

競技レベルによって若干の差異はありますが、スポーツを通じて人との縁や繋がり、人の痛みを知りその瞬間の感情を分かち合う。生き行く上で何より大切な人間力を高めるアイテムだと思います。

競技者であろうとなかろうと、実施者・観戦者含めスポーツの価値・可能性は未知数を越えて無限大です。


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