GUEST

貴田 菜ノ花(きだ なのは)

武術太極拳選手。8歳から競技をはじめ、現在は連盟の強化指定選手として活動している。


主な競技成績

■ 2017年第9回アジアジュニア武術選手権大会 剣術1位・長拳2位・槍術3位

■ 2018年第35回全日本武術太極拳選手権大会 長拳2位

■ 同年 第1回世界大学武術選手権大会 長拳4位


目次

■カンフーとは違う?武術太極拳というスポーツ 

■武術太極拳を始めたきっかけ

■武術太極拳の発展を目指して

■スポーツに取り組み人に伝えたいこと


カンフーとは違う?武術太極拳というスポーツ 

-貴田さんが取り組む武術太極拳についてお話をお聞きします。まず、武術太極拳とは一言で言うとどのようなスポーツなのでしょうか?

カンフー映画に出てくるカンフーの動きを「演武」として得点をつけたのが武術太極拳というスポーツです。

武術太極拳には10種類以上の種目があり、私が選ぶ種目は3つです。

・長拳

特徴は姿勢や動作が大きく伸びやかでスピードがあり、跳躍動作が多く含まれ、優美で活動的なことである。体操の床運動のように全身を用いて縦横に動きまわるので年少者や初学者の練習に適している。 (引用元:公益社団法人日本武術太極拳連盟)

・剣術

剣は両刃の直剣で、刺す、切る、払う等の技を身体の跳躍、回転、前進、後退等と組合せて複雑な攻防の技を行う。優美、華麗でスピードと力強さが要求される。(引用元:公益社団法人日本武術太極拳連盟)

・槍術

柔軟性のある柳の木などで作った槍身に短い穂先をつけたものを用い、突く、払う、からめる、打つ等を身体の動作と組合わせて行う。(引用元:公益社団法人日本武術太極拳連盟)

それぞれ1分20秒以上の構成で臨み、各種目で一位を目指します。

採点方法は、点数は10点からの減点方式です。減点方法は3つに分かれています。

引用元:公益社団法人日本武術太極拳連盟

この3つの項目から一度失敗する毎に0.1点が減点されます。大会で優勝するためには9点以上をキープしなければいけません。一度のミスが勝敗に大きく影響するシビアな世界です。

画像:ご本人提供

武術太極拳を始めたきっかけ

-なるほど!カンフーを競技にしたスポーツであればイメージがしやすいですね。貴田さんはどのようにして武術太極拳と出会い、始められたのでしょうか?

両親がカンフー映画好きで、一緒に見ていました。その姿を見ていた祖母が新聞記事に武術太極拳の道場を見つけて勧めてくれました。両親に連れられて道場へ足を運んだことで、武術太極拳と出会いました。

もともと、カンフー映画を見ていた時は興味を持ちませんでしたが、道場で武術太極拳を体験したことで、興味を持つようになりました。

-ご家族の影響で始めたのですね。ちなみに、他の選手はどういったきっかけで始められるのでしょうか?

多くの選手は、カンフーアクションに憧れて始めるとお聞きしました。それこそ、ジャッキーチェンの映画や、ストリートファイターの春麗(チュンリー)から影響されるみたいです。最近は仮面ライダーやアニメの中にカンフーアクションが使われているので、それをきっかけに興味を持つ人もいるみたいです。

ちなみに、仮面ライダーや戦隊ヒーローのスーツアクターには武術太極拳を経験された人が多くいらっしゃいます。

実は、日常の至るところにカンフーの要素があるんです。

-CMでも見かけますね。露出度が増えれば、競技の普及に繋がると思います。

そうですね。うまく、カンフー映画などと関連付けて、武術太極拳の認知を上げていきたいです。

-世界での普及状況はいかがでしょうか?国際大会ではどのような国が出場されるのでしょうか?

太極拳は世界中に取り組まれているスポーツです。しかし、演武の武術太極拳ではなく、健康のために太極拳を行っている方々がほとんどです。

国際武術連盟に所属する国は、全部で155か国あります。その国の中からヨーロッパ、アメリカ、ロシア、ブラジルといった世界中から競技者が集まり、演武を披露します。

-貴田さんが感じる武術太極拳の魅力はどのようなところでしょうか?

競技者として感じる魅力は、自ら演武の構成を考えて演武に挑むことです。試行錯誤を繰り返し、披露した演武をやり切る瞬間は達成感があります。

演武を見る魅力としては、選手一人ひとりの表現が異なることです。演武にはストーリーがあります。その中で、型のクセ、動きのリズム、緩急の付け方など、選手の数だけ演武があります。

ここが非常に面白い部分です。

武術太極拳の発展を目指して

-武術太極拳での目標や目的を教えてください。

シニア選手として国際大会に出場し、結果を残すことです。

2022年に武術太極拳のW杯が東京で開催されます。日中国交正常化50周年を記念した大会です。また、2026年のアジア大会は名古屋で開催される予定なので、この大会は特に結果を残したいと考えています。

また、コロナ禍になって新たに目標ができました。

国際大会に出場する海外選手は基本的にプロとして活動しております。私は、日本でプロとして活動ができる環境をつくることを目指しています。

今、SNSを活用し、私の考えや想い、これからの目標を発信しています。私の活動を通じて、日本での武術太極拳の注目を集めたいと思います。

-新しい目標ができたのはどのような想いがあるからなのでしょうか?

後輩のためにという思いです。

私は8歳から武術太極拳に取り組んでいます。活動する中で練習環境や大会へ出場する費用など、「もっとこうなったらいいな」と思うような課題を感じています。

画像:ご本人提供

私の活動で武術太極拳の認知が広がれば、スポンサー支援や競技人口増加など、武術太極拳に取り組む環境が豊かになると考えています。

日本の武術太極拳を引っ張る存在になりたいと思います。

スポーツに取り組む人に伝えたいこと

-最後に、スポーツを頑張る方へメッセージをお願いいたします。

私は、スポーツを続けることに意味があると考えています。自分がやりたいと思った競技を続けることで、競技以外に必要な力を養うことができると思います。そして自分に自信を持つことができると思います。

特に、マイナースポーツに取り組むことは素晴らしいことだと私は思います。

マイナースポーツだからこそ、強いハングリー精神を持つことができると思いますし、そのスポーツ界での密度が濃いので、色々な人と出会えると思います。

また、マイナースポーツならではの苦労もあると思います。

でも、それらを踏まえて、マイナースポーツでしか経験できないことがあると思いますし、マイナースポーツを経験する人の強みになると思います。

私も、一生懸命続けることで、武術太極拳の世界が変わると信じて、これからも頑張っていきます。


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