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橘田恵(きっためぐみ)

帽子をかぶっている人はスマイルしている

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女子野球日本代表監督。

小学1年生から野球をはじめ。高校では男子硬式野球部に所属。大学は仙台大学へ進学。2001年仙台六大学リーグで初めての女性選手として先発出場・公式戦デビューを果たす。

2012年から履正社医療スポーツ専門学校女子硬式野球部(履正社RECTOVENUS)監督就任し、2014年4月から履正社高等学校女子硬式野球部監督を兼任する。

2015年8月、第9回全日本女子硬式野球選手権大会において履正社RECTOVENUS初優勝。

2017年4月、第18回全国高等学校女子硬式野球選抜大会において履正社高等学校を初優勝に導く。

2017同年5月、女子野球日本代表初の女性監督に就任。


経歴

■兵庫県立小野高等学校

■ 仙台大学 硬式野球部 (2001-2004)

■ スプリングバル・ライオンズ(豪)(2004-2006)

■ 花咲徳栄高等学校女子硬式野球部コーチ (2006-2008)

■ 南九州短期大学 女子硬式野球部コーチ (2008-2010)

■ 南九州短期大学 女子硬式野球部監督 (2010-2011)

■ 履正社医療スポーツ専門学校女子硬式野球部(履正社RECTOVENUS)監督 (2012-2019)

■ 履正社高等学校女子硬式野球部監督 (2014-)

■ 女子野球日本代表監督(2017-2018)


目次

■ 女子野球の指導者としての想い

■ 「野球が好き」という想いを大切に

■ 人間力の向上こそ、競技力の向上に繋がる

■ 女子野球界の更なる飛躍のためには


女子野球の指導者としての想い

-女子野球界のパイオニアとして活躍された橘田さん。2017年から初の女子野球日本代表の監督を務められました。就任当時の率直な感想を教えてください。

えらいものを引き受けてしまったと思いましたね(笑)ただ、一方では多くの選手に活躍してもらいたいという想いもありました。

選手選考ではプロ・アマ・大学・高校生問わず、多くの選手が参加してくれました。そして、若い世代を中心に各カテゴリーから選手を選出しました。理由として、各カテゴリーメンバーが日本代表で活躍することで、その人が目標選手となり各カテゴリーが盛り上がると考えたからです。

最近は大学女子野球チームが増えてきたと感じています。選手が野球に取り組む環境が増えることは大きな一歩を踏み出したと思います。

女子野球の世界はまだまだ大きくなると思っています。様々なスポーツがある中で、女子野球は発展途中にあり、過酷なこともある中で「野球をやりたい」という純粋な気持ちで取り組んでいる選手が多くいます。

そういった人は、考えにも芯があり、何かを開拓する力を持っているので、社会でも活躍する人財だと考えています。

-女子野球選手を見ると楽しそうに野球に取り組んでいますよね。

心の底から好きという気持ちが無いと女子野球という競技を選ばないと思います。

一昔前までは、男の子は野球、女の子はソフトボールという風潮がありました。いざ野球をやろうと思っても男の子に混じってやる環境しかありません。また硬式となれば当たったら本当に痛いですから(笑)

だからこそ、私は敬意を込めて「これから、女子野球界を背負う人になるんだよ」と選手たちに伝えています。

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女子野球人口はまだ少なく、女子野球部がある高校は40校ほどです。ですから、一人ひとりが成す役割が大きいと感じています。彼女たちが女子野球の未来をつくると言っても過言ではありません。

子どもたちが彼女たちの姿を見て未来を変えると期待していますし、それが監督(私)の夢でもあるということ伝えています。

もしかしたら、女子野球選手たちは、自分たちの活躍が今後の女子野球の未来を左右することを知っているから楽しんでいるのかもしれません。

「野球が好き」という想いを大切に

-指導者の夢を伝えることで選手一人ひとりの行動を変えていると感じました。橘田さんの想いが女子野球界を変えているかもしれませんね。現在、部員数は何名ですか?

私が監督を務める履正社高校女子野球部では、現在55名の部員が在籍しています。

-部員55名は、橘田さん自ら声を掛けて集めているのでしょうか?

基本的には選手の所へ出向き直接スカウトをすることは行っていません。

実は監督業の中でスカウトが一番苦手なんですよ(笑)

取り組んでいることは、履正社高校主催の体験会へ来てくれた選手へ声を掛けています。おかげ様で体験会には自然と人が集まってくるようになりました。最近は遠方の選手も集まるようになり、今のチームは青森から沖縄まで日本全国から選手が集まっています。

私の考えとして、実際にチームを見て決断をしてほしいと思っています。「履正社へ来てほしい」と声を掛けた選手は今まで少なく、今、在籍する選手たちはチームを見て、納得をして自分の道を決めています。

実際に肌で体感し、在籍する選手からの話を聞き、彼女たちの表情を見てもらうことが大切なことだと考えています。

自分の目で見て納得して入部してもらうことで、創部以来退部者は一人もいません。

-退部者ゼロはすごいことだと思います。何か特別な取り組みをされているのでしょうか?

特別取り組んでいることはありません。

強いて言えば、選手全員に松下幸之助「道をひらく」を自費で購入してもらって感想文を提出してもらっています。何か壁にぶつかった時、自ら考え、困難に立ち向かってほしいという願いを込めて取り組んでいます。

また保護者や学校のフォローがあるから退部者がいないのだと思います。先日開催された大会では無観客試合(コロナウイルス感染防止のため)で対応しましたが、保護者・OGの方は誰一人試合を見に来なかったことがとても嬉しく感動しました。保護者・OGが本当の理解をし、応援してくれているからこそだと思います。

誰でも自分の子供の試合は観たいし応援したいじゃないですか、本当の意味での応援が何かを理解されている保護者の方ばかりであると感じました。

選手達は自らの判断で入部しているため、学校を休まないですし、練習も真剣に取り組みます。みんな笑顔で卒業してくれることが何より嬉しい限りです。

-「野球が好き」という気持ちを継続させることも退部者0の要因だと思います。

そうですね。選手たちはもともと野球が好きという気持ちを強く持っていますし、私自身、「野球が大好き」という気持ちを持っているので、指導している中で選手が感じてくれているかもしれません。

あとは、仲間の絆が選手を支えていると思います。厳しい練習に取り組んでいるので、挫けることや落ち込んでしまうことがあると思います。その時にチームメイト・保護者・学校関係者が私の見えないところでも選手を支えてくれていると思います。

野球場にいる人たち

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競技力の向上より大切なこと

-お話をお聞きしていると、橘田さんは野球のスキルに加え、人間力の成長を指導の中で大切にしていると感じました。

野球のスキルも大切ですが、人としての成長がなければいけないと思っています。社会で活躍できる人を育てるには、野球以外の人間力の育成が重要です。だから選手には「道をひらく」も読んでもらいます。

指導する中で、全力を尽くすこと。スポーツマンシップを忘れないこと。この2つは選手へ常々伝えています。

-どのスポーツでも重要なことだと思います。ミスに対してはどのように捉えていますか?

ミスが起きた時は、責任は誰なのかをはっきりさせています。加えて、その判断は自分の意図をもって取り組んだのかということをはっきりさせます。判断は選手に任せていますが、自分の考えや意図を持っているかが論点になります。

特に女子選手たちは自分が納得したことに対し、物事を進めていく力を持っています。

論理的な思考が強く、脳が納得した状態になれば凄い力を発揮します。

一つのミスに対し「なぜこうなったのか」を紐解いて彼女たちの力を引き出すきっかけにすればミスがミスになりません。

女子野球界の更なる飛躍のためには

-話を変えます。先日、夏の大会決勝が甲子園で行うというニュースを拝見しました。女子野球界にとっては大きな変化だと思いますが、更に良くするにはどうしたらよいでしょうか?

とにかく、彼女たちの野球を見てもらってファンを増やすことです。

マドンナジャパン(女子野球日本代表)がメディアで取り上げられた影響で、今の高校女子選手が日本代表になりたいという選手も増えています。

女子野球には男子とは異なる面白さがあります。

これからも多くの方に観て頂ける機会が増えるよう、次は各カテゴリーの決勝はテレビで取り上げてもらえることを目標に、取り組んでいきたいです。

-女子野球選手が積極的に情報を発信することが大切だと思います。

仰る通りで選手たちがSNSを活用することで情報が拡散されると思います。我々、履正社女子野球部もホームページとInstagram・Facebookを開設しました。

私自身、SNSの扱いが慣れず、Instagramは閉鎖しようと考えていたのですが、選手から頑張って続けてほしいと言われました。彼女たちの取り組みをクラスの子や保護者が楽しみにしているようで、特に遠方から来ている選手は親に顔をみせるツールになっているとお聞きします。

こういった情報発信を行った効果として遠方から来る選手が増えたのかもしれません。

女子野球界は優秀な人財の宝庫だと思います。一人でも多くの選手が増え、女子野球界に注目が集まるよう取り組んでいきます。


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