インタビュイー:倉石 佳奈(くらいし かな)

タッチラグビー日本代表。大学からタッチラグビーと出会い、その魅力にハマる。2019年に行われたタッチラグビーW杯では、3位の成績を納める。2019年12月4日からタッチラグビー普及のため、自転車で日本一周を行う。

※写真はご本人からの提供


今回のインタビューは、タッチラグビー日本代表の倉石さんにお話を伺いました。

皆さん、タッチラグビーをご存知でしょうか?オーストラリア発祥でタックルが無いラグビーで老若男女問わず楽しめるスポーツです。

タッチラグビー普及のため、昨年の12月4日横浜から日本一周に向けてスタートした倉石さん。タッチラグビー体験を行いながら現在は関西あたりにいる模様です。日本一周に向けての意気込み、タッチラグビーの魅力についてお聞きしました。


タッチラグビーを始めたキッカケは?

―倉石さん、緊張が隠しきれてないですよ(笑)

そうですか(恥)普段、インタビューを受ける事がないので。タッチラグビーの普及活動も少しずつ行っているので、これからこういった機会を増やしていこうと思っています。

―今はどういった活動をしていますか?

タッチラグビーの練習を中心とした生活をしています!今回の日本一周に向けて資金を捻出すべく、アルバイトと両立もしています。土日はタッチラグビーの活動が多いので、空いている時間を有効活用していますね。

―そもそも、タッチラグビーは何で始めたんですか?

配っていたチラシを見たことがきっかけですね。

元々、バスケ部へ入部しようと考えていたんですが、推薦入学以外で入部したメンバーには厳しい環境がありました。でも、他のスポーツをやるにせよ、しっかりと練習は取り組みたいと思っていたこともあり、まずは見学してみようと思ったんです。タッチラグビー部へ見学に行き、当時の先輩を見て、初めてスポーツを観て感動して泣いたんです。

フレンドリーで楽しくやっている上に、強い。その姿に感動してしまって。私は中高のバスケ部時代に先輩が少ない環境だったので、先輩たちに強い憧れを抱きました。

―日体大のタッチラグビーは強いですからね。

最近だと、現役よりOB・OGのチームが強くなってきています。今、所属しているチームは社会人チームの「BOOS」なんですが、昨年の全国大会で優勝しました。

―タッチラグビーに出会う前は、ラグビーに興味はあったんですか?

全くないですね(笑)バスケをずっとやっていたので、丸いボール以外触れたことなかったです。むしろ、大学入学前に友人がラグビーかタッチラグビーやるって言っていたのに対して、「私は絶対やらない」と返していましたから。

―普段触れる事のない形のボールですからね。最初に苦労したことは何ですか?

ボールをキャッチすることが難しかったです。基本的な「キャッチしてパスをする」ことが出来なかったですね。

―今、振り返ると楽しかったですか?

すごく楽しかったです。特に、キャプテンを務めた2年間は、人生の中でも1番勉強になりました。「サークル」ということもあって、個人の熱量の差を調整する事が大変でした。でも、本当に良い時間だったと思います。

―サークル活動の環境はいかがでしたか?特にグラウンドとか。

基本的には、多摩川の河川敷が多いです。今は練習出来ないですが・・・。10月の台風被害により、グラウンドが水没して、ニュースになっていました。

―以前も別のサークルへお話を伺ったときにも、「練習場所の確保が難しい」と仰っていました。

今、所属しているチームも、練習場所に苦労しているのですが、多数のチームでグランドを貸し借りしながら協力してやってます!自主練では、いつも街中をボールを持って駆け抜けています。桜木町を走っているんですけど、ラグビーW杯の影響で「あいつ、ラグビーのにわかファンだな」的な視線を浴びますが、負けずに走っています(笑)

―ラグビーボールを持って桜木町を走りまわっていたら、怪しまれますね(笑)

タッチラグビーの特徴・魅力

―『タッチラグビー』ついてラグビーとの違いや特徴を教えてください!

私みたいに楕円球に縁がなかった人でも、簡単に始められるスポーツだと思います!日本代表も男/女/ミックス(男女混合)があって、誰でも一緒にできて、年齢も関係ないスポーツです。

―老若男女、ラグビー経験問わず楽しめるスポーツということですね!では、魅力は?

ロングパスやステップワークなど、華やかなプレーが多いことと、スピード感があると思います。

私が面白いと思うことは、狙ったプレーで相手を動かして得点が取れるところです。簡単にいうと、相手をコントロールできることですね。

タッチラグビーは『タッチ(相手との接触)』が起こると、5メートル下がらなければいけないルールがあります。このルールを上手く使って、相手の体の向きや、味方の走るコースを見て、敵全体の穴(敵がいないところ)を狙うんです。

アタックが有利になっているルール特性があるからこそ、出来ることだと思います。

―タッチラグビーは、相手にタッチされる。または、自分がタッチした時にボールを地面に置いてリスタートすると思うんですが、タッチされたか微妙な判断の時は、プレーを続けるんですか?

タッチされたか、されないていないか微妙な時はあります。でも、基本的に「タッチされたかな」というときは、タッチされた人が正直に「タッチされた」と申告するんです。申告後の判断はレフリーに委ねられます。

―ラグビーと同じで紳士なスポーツですね! 実際、僕も経験ありますが、ルール理解に苦戦しました・・・。

2019年ワールドカップで悲願の銅メダル獲得!

ー2019年、タッチワールドカップがありましたよね。初の銅メダル獲得おめでとうございます!

ありがとうございます。今回の大会では、男子チーム、女子チーム、Over40(40歳以上の男子チーム)で銅メダルを獲得しました。本当に嬉しかったです。

―ワールドカップの雰囲気はどうでしたか? また、チームの雰囲気などは?

マレーシアで開催されたんですが、お祭りみたいで楽しかったです。

チームの雰囲気は、大会直前から緊張があったんですが、このチームに自信があったので思い切ったプレーができました。個人的には、楽しみの方がずっと強かったですね。

―日本は3位だと思いますが、1,2位はやはりオーストラリアとニュージーランドですか?

はい。

オーストラリア、ニュージーランドは予選で戦って、オーストラリアに10-3で敗北しました。ニュージーランドは全く歯が立たず終わったことしか覚えていません(笑)

―力の差は感じましたか?

そうですね。自分のプレーが何もできずに終わってしまうから、試合の中で改善策も出てこなかったです。まだまだだなと強く感じました。1,2位との壁は厚いです。

―タッチラグビーは日本人向けのスポーツかなと個人的には思っていて、きめ細かなプレーや俊敏性が活きてくると思っています。

そうですね。体が大きい選手がいてもぶつかり合いが無いので怖くないですし、むしろ、細かい動きを活かすことができるので、今回の3位という結果につながったと思います。

ただ、体が大きいほうがいい事もあります。選手によってはタッチに見せかけて押してきたり、ボディバランスが崩れないことがあるので。パワーもあるので、パスも飛ぶし。

―体の大きな海外選手はタッチでも強かったです!(実は上野も海外でやった経験があります)

タッチラグビーの課題

―話が変わりますが、ラグビーW杯は観戦していましたか?

観てました!めちゃくちゃ面白いですよね。ギリギリのパスワークはお互い信頼していないとできないと思うんですよね。すごいチーム力だなと思いました。なんたって、日本中の盛り上がりがすごいですよね!

―この勢いでタッチラグビーにも良い影響があるといいですよね!

日本中がタッチにも注目してくれたら嬉しいですね。

オーストラリアでは、リーグラグビー(13人制のラグビー)の前座でタッチラグビーの試合をしたり、7sラグビー選手がタッチラグビーの選手になったり、また、逆もしかりと、お互いに関係性が強いんです。日本でも楕円球のつながりが広がればいいなと思っています。

―日本ではまだまだタッチラグビーは普及していないと思いますが、課題は何だと思いますか?

競技としての普及は学校やクラブチームなど学生チームが増えるといいと思っています!学生チームが増え、引退後に社会人チームにいく。という流れもほしいですね!

タッチラグビーはボール1つで始められて、ぶつかり合いもないので、老若男女問わず一緒にできます。放課後や会社のレクリエーションなどでも、タッチラグビーが広まっていったら良いなと思っています。

―人を増やすことが大きな課題ということですね!

その課題もあります。

人口が増えれば、練習ができる環境が増えると思いますし、いろいろなチームと戦う事ができるので試合への熱量が更に上がると思います。

―どんな方にタッチラグビーを経験してほしいですか?

ラグビーの日本代表がタッチラグビーをやってくれたらイメージが変わると思います。ラグビーをやっている人からするとぶつかり合う事がないので、「ラグビーじゃないよ」と言われることがあるんですが、日本代表がタッチラグビーを取り組むことで、みんなの見る目が変わると思うんです。

―楕円球のつながりでタッチラグビーも広がれば良いですね。皆さん、お仕事についてはどう競技と両立されているんですか?

基本的には社員としてしっかり働いていて、平日の夜や土日に練習をしている方が多いです。逆を言えば、練習環境や、集まれる人が少なく、プレーする時間が限られています。

ただ、海外での大会が多いので平日に海外遠征へ行く事が多くて、理解がある企業ではないと厳しい現実があります。

―アスリートの生の声ですね。

スポーツ選手を応援するスポーツ支援センターみたいなところもあるんですけど、話を聞くと、現役の応援ではなくて、セカンドキャリアの応援をするところが多かったですね。

―最近、「デュアルキャリア(仕事とスポーツの両立)」が浸透してきて、環境整備が整い始めたばかりですからね。今後は良い環境が増えることに期待しましょう!

チャレンジ!日本一周タッチラグビー普及活動チャリの旅について

―さて、日本1周についてお聞きします。そもそも、なぜ日本一周をしようと思ったんですか?

全都道府県で、タッチラグビーをやりたいなと思ったのが最初で、その時は車で行こうと思っていたんですが、ある時に、自転車で行こうと思ったんです。車だと通り過ぎてしまう所も、自転車ならゆっくり止まって出会える人を多くできると思ったから選びました。

タッチラグビーは、基本的に海外に武者修行へ行って自分の実力を高めなければいけません。日本でタッチラグビーを広げれば、日本のタッチラグビーのレベルを底上げできると思っています。

―日本のタッチラグビー普及の為の行動なんですね!具体的にどういった内容ですか?

2019年12月4日に神奈川(桜木町)を出発して、47都道府県でタッチラグビーの体験会を最低1回は体験会を開いていこうと思っています。大体の道を沿って行く予定です。

※無事、出発し、今は近畿地方におります。

―出発が12月4日!また、寒くなる時期に行くなんて・・・思い切りましたね(笑)

そうなんですよね・・・正直、ビビってます(笑)暖かい時期にやるのが普通だと思うんですけど、2020年の11月に行われる全国大会には出場したいので、それまでに一周できるようなスケジュールを組んでみました。

―かなりお金がかかると思うんですけど、資金調達はどのように行っているんですか?

大々的なクラウドファンディングとかはしてないのですが、一部サポートはしていただきました。

―なるほど!グラウンドの手配や集客はどう行っているんですか?

タッチラグビーのつながりが強いので、各地にあるタッチラグビー協会やチームに声を掛けています。少しずつですが、決まってきています。

―タッチラグビー体験会に参加するのに何か必要なことはありますか?

誰でも、自由に参加してほしいです!通りかかったからとか気になっただけでも構いません! 気軽に楽しめるのも、タッチラグビーの素晴らしいことなので。是非、参加いただきたいです!

―ゴールした時にどういう状況になっていたらいいと思いますか?

タッチラグビーの認知が広がって、大会参加者や観客が増えてくれれば最高ですね! 今より少しでもタッチラグビー人口が増えて、グラウンドでタッチラグビーを行っている姿を見られたらなと思います。会社のレクリエーションとかでも広がればうれしいですね。

―最後に、チャリ旅の意気込みを!

全力で頑張ります!ぜひ、見かけたらお声がけください!そして、タッチラグビーをやっていると思うので気軽にご参加ください!

―倉石さん、今日はありがとうございました!無事、日本一周ができるよう応援しています!

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