高木 ひかり (たかぎ ひかり)

静岡県三島市出身。小学校卒業後、名門常葉大学附属橘中学校・高等学校へ進学。その後、早稲田大学へ進学。大学4年生時にはインカレ優勝、個人MVP受賞。卒業後はプロサッカー選手としてノジマステラ神奈川相模原に所属。引退後、スポーツフィールドに入社。

-高木さん!本日はよろしくお願いします。

-元なでしこジャパンの選手が目の前に・・・。同僚なのに、改まるとなんだか私も緊張します。さっそくですが、高木さんのサッカーをはじめたきっかけについて教えてください。

きっかけは、2002年の日韓ワールドカップです(当時9歳)。当時の日本代表に私の地元出身(静岡県三島市)の高原直泰選手がいて、地元でライブビューイングがあり、それを見ていて面白そうだと思ったのがサッカーをはじめたきっかけです。

-2002年ワールドカップがきっかけだったんですね!親御さんもサッカー経験者ですか?

実は我が家は、私を除けばバレーボール一家なんです。身長もみんな高くて、姉は175センチ、父は185センチ、母も170センチあります。私も中学からバレーをやる予定だったんですけど、サッカーを始めてみたら、結果がちょっとずつ出るようになって、サッカーを選びました。小学校卒業後は、サッカー部に力を入れている常葉大学附属橘中学校・高等学校に進学しました。

-中高一貫ということは、6年間同じチームでプレーしていたんですね。中学、高校のチーム成績を教えて下さい。

中学、高校ともにチーム最高成績は全国大会3位です。個人的にはU-16(16歳以下)の日本代表に15歳の時から代表に選んでいただいていて、U-17のワールドカップでは世界2位になりました。中学・高校時代に様々な経験をさせていただいたおかげで、高校卒業後は、早稲田大学に進学しました。

-全国大会3位、日本代表で世界2位・・・!すごい経歴ですね!ちなみに早稲田大学でのチーム成績は・・・・(聞く前からすごそうな予感)

インカレ準優勝、U20W杯3位 、ユニバーシアード(学生のためのオリンピック)3位 、東アジア競技大会、U-23、インカレ優勝(MVP)、 関東リーグ4連覇、U-23 ラ・マンガ女子国際大会優勝ですかね・・・!覚えている範囲だと・・・。

-(想像を超えてきた…)サッカー以外はどんな4年間でしたか?

えっと、バイトに明け暮れていました!

-掘り下げた方がいいですか?(笑)ちなみにバイトは何を?

牛丼屋チェーン店で働いていました。時給が高かったんです (笑)結構シフトに入ってたので、月13万くらい稼いでました!!!学生で月13万って稼いでいた方だと思います (笑)

-今日一番テンション上がっていますね!サッカーで忙しかったでしょうに、それだけ稼いで何にお金を使っていたんですか?

靴がすごく好きだったので、靴代です…!

特にナイキがすごい好きで、プレミアムなものを買っていました。今は全く靴にお金はかけてないんですけどね…。

-今の趣味はなんですか?

旅行が好きです。2~3日でもあれば、すぐに近場でも旅立ちます。あとライブ参加が好きですね!ワンオクとか!

-大学卒業後にプロの道に進まれましたが、始めから進路はプロ志望だったんですか?

はじめは、サッカーを続けるつもりはなかったので他の学生と同じように就職活動をしていて、いくつか内定をいただいていました。

ただ、選考の中で、履歴書に書いているサッカーの経歴を見て『何で続けないの?』とか『オリンピックあるじゃん!』とか、サッカーを続けない理由を聞かれた際に、具体的に答えられなかったんです。ちゃんと答えられなかったことが、サッカーを続ける理由になりましたね。まだ辞めきれない理由があるのかな・・・と。

今となれば、考え直すきっかけを作ってくれた企業さんには感謝ですね。就活して良かった!と思っています。当時就職活動をしていなかったら、自分がこうしてスポーツフィールドで働いていなかったと思います。

-私も企業さんの立場だったら、「世界2位」「全国制覇」「日本代表」の経歴を見たら「何で続けないの?」と気になって聞いてしまうと思います…。

自分の中ではそこまで実力があると思っていなかったので「続けても意味ないでしょ」って思ってたんです。

そんな中、プロチームからオファーをいただいて練習に参加できるチャンスが何チームかあって、大学よりもレベルが高い環境で練習することが楽しいと感じたんです。プロで続けてみる価値があるかもしれないと思うようになりました。

-進路をプロチームの『ノジマステラ神奈川相模原』を選んだ決め手は何だったんですか?

ノジマに決めたのは、当時のノジマの監督の影響ですね。「この人についていきたい」と感じました。

どのスポーツでも戦略があると思うんですが、監督によって選択する戦略が大きく異なります。サッカーもアイディアや状況判断のスポーツですが、監督の指導法によって、自分に蓄積されるものが違うと感じていたんです。

そんな中で、(戦略が)一番おもしろいと思ったのが当時のノジマの監督です。練習の中で、一つひとつの要求が高く、これまであまり考えることが無かった所まで要求される環境がおもしろいなと感じました。まだまだサッカーでいろんな価値観や、経験を積める可能性があると思ったので選びました。

-チームに所属しているときの一日のスケジュールはどんな感じだったんですか?

9時半から12時半までは会社で勤務して、その後は15時から18時まで練習でした。ノジマの情報部門という所で、PC、テレビカメラなどの電化製品の店舗販売をしていました。

-店舗にサッカー選手がいるってことですよね!ファンの方が来店されることもあったんですか?

ファンの方も来てくださいました!

「サインください!」と声をかけていただくこともありました。

-選手と身近に会えるのはファンからしても嬉しいですね!

そうですね。ユニフォームを着て店舗に立ったりしていましたので。宣伝もかねて…(笑)

なので、私のことを知らない方もこの人たちはサッカー選手かな?と興味を持ってくれました。

女子サッカー界は、プロサッカー選手でも働いているのは当然でした。

(幸いにして)自分たちのチームはほぼ実業団として成立している状態だったので、働く時間は日に3時間くらいだったんですけど、他のチームは9時から17時、18時まで働いた後に練習のチームも多いですね。

なでしこリーグの1部リーグの中でも、やはり上位チームの方が環境は良いです。全員プロなのは、INAC神戸だけですね!いずれは全体としてもプロ化すると言われていますが…。

-今後Jリーグの様になっていくといいですね。

では、社員もファンの皆さんも一番気になっている質問に・・・。サッカー選手を引退した理由は…。

一番の要因としては自分の可能性が無くなったことです。

-何の可能性ですか?

ワールドカップやオリンピックでピッチに自分が立てる可能性です。昨年、ワールドカップ予選があり、23人の日本代表メンバーに選ばれていたんですが、あまり出場機会がありませんでした。且つ、その先のオリンピックは、18名しか選ばれないんです。やっぱりやるからには、代表で試合に出たいじゃないですか。

なので、サッカーに対してその2年(2018年から2020年)を捧げるべきなのか考えるようになりました。尚且つ東京オリンピックの後に引退すると、就職が難しくなるということを聞いて…。そう考えたら東京オリンピックの前に就職活動をして、サッカー以外でも可能性が広がるのであれば、そっちで挑戦してみてもいいかなと思いました。色んな方々に相談した上で、最終的に自分で判断しました。

-代表現役での引退は、『もったいない』などの声もまわりからあったんじゃないですか?

続けていたら可能性はあったかもしれないんですけど、自分の可能性を信じすぎたくなかった。というのはあります。まわりの人からすると『なんで?』『もったいないじゃん』ってよく言われてたんですけど、当事者にしか分からないことで…説明が難しかったですね。当時はこの感情をサポータの人たちには言いたくなかったんです。

-そうだったんですね。サッカー人生を振り返ってどうですか?

自分自身これまで出逢ってきた指導者には恵まれてきたと思っています!

-具体的には、どんな指導者の方が多かったんですか?

発言に対して納得のいく人。例えば、久保谷さん(現在の上司)もそうなんですけど、発言に意図や意味がすごくあるじゃないですか。そういう指導者でした。論理的な人が合うのかも知れないです。自分は走るのが嫌いだったのですが、ノジマはかなり走るチームなんです。けど、その走る行為の大切さを指導者の方が納得のいく説明をしてくれたおかげで、やるしかないという気持ちで走り続けることができました。

-プロを引退後、スポーツフィールドに入社し、働く中でサッカーと仕事で似ていると思う部分はありますか?

結果主義なところは同じだと思います。サッカーも結果を出してはじめて評価してもらえますし、契約の更新もされます。仕事でもしっかり結果を出していきたいですね。営業なので数字を追う環境の中で、それを放棄したくないと思っています。

-意識していることはありますか?

「感情を揺らさない。感情の波をつくらない」ことです。こうみえて波の激しい選手だったんですよ。一言で言うとメンタルが弱い。それを見せないために努力をしていたので今のようになったのだと思います。悔しい時も落ち込んだ時も表に出さないようにすることで、成果が出た時も良い意味で喜ばない、一喜一憂しないかなと思います。一時だけでなく、常時、認められる人になりたいと思います!

-最後に、スポーツフィールドで今後やっていきたいことはありますか?

セカンドキャリアとかデュアルキャリアの支援を中心にやっていきたいです。私自身が元アスリートなので、同じ経験をし、悩みを持ったプロ選手の力になりたいという想いが強いです。なぜアスリートの人が転職に悩むかというと、プライドの高さもあると思うんです。

あとは、社会経験が無い、尚且つ、「スポーツしかしてこなかったから出来ないです」という考え方の人も多いと思います。そんな中、未経験でも社会人としての可能性を信じて採用してくれる企業もたくさんあると感じています。最近は、仕事をしながらプレーしている選手も多いので、そこはセカンドキャリアやデュアルキャリアでも十分に活かせると思っています。ですので、アプローチの仕方も考えながら色んな事にチャレンジしていきたいです。

-本日は高木さんのサッカーをはじめたきっかけからプロになるまでの過程、引退理由、今後の目標など様々なことを質問させていただきありがとうございました!

こんなに詳しく話したのは、初めてでした!ありがとうございました!

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